1俵2斗5升入りの年貢米3俵
貞享騒動の全容を紹介
貞享騒動【じょうきょうそうどう】で中心となった多田加助【ただかすけ】ら、義民【ぎみん】の功績を記念して建てられた記念館。展示室では当時の身分制度や貞享騒動に関する資料を展示、シアター「夢道場」では騒動の内容を紹介した「貞享義民物語」を上映しています。
貞享騒動は貞享3(1686)年、松本藩で起こった百姓一揆【ひゃくしょういっき】。この年、松本藩では、米が不作だったのに、1俵あたり年貢米を3斗(1斗=約18リットル)から3斗4、5升(10升=1斗)に引き上げる決定をしました。周辺の藩は1俵あたり2斗5升だったため、加助らが立ち上がり、年貢米の軽減を求め、訴状を提出、各地から多くの農民が結集して、騒動になりました。訴えはいったん聞き入れられたものの、後に覆され、加助やその一族・同士など28名が処刑されるという、悲しい結末となったのです。
生きる権利を主張した義民の行動
農民の窮状【きゅうじょう】を見かねた加助は、身を挺【てい】して農民を救うため、妻と離縁して訴えに臨みました。この加助たちの行動は、明治時代の自由民権運動や現在の憲法の基本的人権の礎【いしずえ】としても高く評価されました。近くには加助の墓や屋敷跡など、貞享騒動ゆかりの場所があります。
多田加助の像
貞享騒動の資料が並ぶ展示室
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