屋台
信州の秘境・鬼無里
村に古くから伝わる鬼女紅葉伝説は、能の演目「紅葉狩」をはじめ、様々な文芸作品の題材とされてきました。現在は奥裾花渓谷と自然園のミズバショウ大群落で知られ、新緑や紅葉のシーズンには大勢の観光客が訪れます。
当館は、鬼無里地域の歴史と文化を伝える拠点として昭和61(1986)年に開館しました。館内には、かつて村の主力産業であった麻の栽培と畳糸生産に係る資料をはじめ、「一木彫」や「透かし彫り」など精巧で華麗な技が施された屋台(山車)、村ゆかりの彫刻家、北村四海・正信の作品、村内で守り伝えられてきた素朴な「山居仏」、鬼無里が生んだ和算家・寺島宗伴の遺品、奥裾花渓谷の自然に関する資料など、豊富な資料を展示しています。
祭り屋台と神楽
鬼無里に7 台あったといわれる屋台(山車)の内、現存する4 台と神楽2 台が展示されています。江戸後期~明治初期の作品が多く、作は寺社仏閣の
工匠、北村喜代松とその弟子によるものです。
鬼無里の木材を用いた「一木彫」による「透かし彫り」の龍、唐獅子、牡丹などは精巧かつ華麗で見事な彫刻です。細部に至るまで施された細工は見所が多く、見ていて飽きることがありません。特に竹籠のように中をくり抜き、鳥籠の中にいる雛3 羽を彫り残した祝鶏翁の場面などは、細工の難しさ、繊細さを良く見せてくれます。
鬼女紅葉伝説の絵巻(画:飯塚正賢画伯)(一部抜粋)
宗伴による夫妻自画像の版画
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