「象と唐人図」(四曲屏風部分)髙井鴻山筆
小布施屈指の文化人鴻山
髙井鴻山【たかいこうざん】(1806~1883)は、幕末から明治にかけて活躍した文化人。佐久間象山など思想家や文人たちとの交流をとおして、学問や芸術に多彩な才能を発揮しました。北信濃有数の豪農商であった高井家の当主になってからは、浮世絵師葛飾北斎【かつしかほくさい】など多くの文人墨客【ぼっきゃく】を招くなど、小布施の教育や文化に貢献しました。
鴻山が書斎として使用した「翛然楼【ゆうぜんろう】」は築二百年来の二階建日本建築です。見学できるほか、一弦琴の体験もできます。また、文庫蔵、穀蔵、屋台庫があり、鴻山をはじめ師や知友の書や絵など、鴻山関係の資料を展示しています。
天保13(1842)年秋、葛飾北斎は83歳のとき初めて小布施を訪れました。鴻山は北斎を卓抜した画人であることを見抜いて、全面的に支援しました。北斎は、鴻山から提供された碧漪軒【へきいけん】で絵の構想と制作に当たり、多くの肉筆画を残しました。
鴻山の絵と書
鴻山は、北斎の絵を参考にしながらも写実を大事にして、自らの絵を描きました。「象と唐人図」(四曲屏風極彩色)をはじめ、花鳥図や妖怪図山水画などを多く描きました。また、書も多く残しています。この鴻山の絵や書、鴻山揮毫【きごう】の幟旗【のぼりばた】、使用した筆や印章なども展示しています。
「妖怪図」髙井鴻山筆
鴻山が用いた印章と拝領の硯
該当する展示品はありません