空穂肖像写真
故郷への思いが生き続ける作品
歌人・国文学者として知られる窪田空穂【くぼたうつぼ】(1877~1967)をしのび、その業績を讃えるため、出生地の和田村(現松本市和田)に開館した記念館です。
20代になってから短歌を作りはじめた空穂は、はじめ与謝野鉄幹【よさのてっかん】に認められ『明星』に参加。小説執筆などを経て独自の歌風を築きました。40代で母校早稲田大学の教壇に立ち、古典研究も精力的に行いました。万葉集、古今和歌集、新古今和歌集の評釈は、今日でも高い評価を得ています。
空穂は生前「短歌とは自然や人生を自分の感動で具象化したもので、生活と共にある。勤勉や緊張の中からいい作品が生まれる」と語り、1万4000首余りの短歌を残しました。空穂が生涯で残した多くの作品をはじめ、ゆかりの品々、関係した歌人や文人などの資料を展示しています。また、空穂の短歌を印刷した短冊やしおり、本などのほか、松本養護学校の生徒が作った作品なども販売しています。
空穂の生家とコウヤマキ
記念館の向かい側にある空穂の生家は、屋根に「雀おどし」という独特の飾りのついた、この地方に多くみられる本棟造りです。内部は平屋ですが、表と裏の2階に部屋が一つずつあります。母屋の坪庭【つぼにわ】には「この家と共に古【ふ】りつつ高野槙【こうやまき】二百【ふたもも】とせの深みどりかも」と詠んだ大きなコウヤマキが今も残っています。
常設展示室
空穂生家
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