森将軍塚古墳クラフト展
名称 森将軍塚古墳クラフト展
主旨 森将軍塚古墳に触れ、壮大な歴史を学び、有意義な開催を目指す
内容 古墳、古墳時代に特化したクラフト及びワークショップ、占い、フード展示販売会
タイムスケジュール
9:00 販売開始 15:00 販売終了
東京にガラス工房を構える渡邊徳明さんの個展です。
渡邊さんは耐熱ガラスとバーナーワーク技法で作品を制作しています。透明なガラス素地に純金・銀・プラチナ厚箔や色ガラスを重ねた作品は、シンプルでありながら華やかで、手作りのぬくもりが感じられます。
高い技術で制作された酒器やうつわを中心に、日々の生活を豊かに彩る作品の数々をご覧ください。
【 渡邊徳明 オリジナル技法 「ひびき」 】
耐熱ガラスのなかに、純金厚箔とガラスを交互に何層も重ねて封じることで、箔と箔の反射によりオレンジ色に輝くことを1987年に発見。
この技法を「ひびき」と命名、以後作家の主要な技として様々な作品に使われています。
■会期: 2025年4月12日(土)~5月25日(日)
■開館時間: 9:00~18:00(入場は17:30まで)
■休館日: 5月20日(火)
■会場: 北澤美術館 1階 多目的ギャラリー
■入館料: 大人(高校生以上)1000円、中学生500円、小学生以下無料
団体(8名以上)100円引
※この料金で北澤美術館の展示室をすべてご覧いただけます
■作家在廊日: 4月12日(土)
伊那市創造館では、2025年=昭和100年を記念して、企画展「伊藤雅克コレクション 昭和のホーロー看板展」を開催中です。
この企画展の関連企画として、ホーロー看板のコレクターでありCMディレクターの高橋英之氏と、「昭和レトロを愛する中学生」としてテレビ朝日系バラエティ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に出演経験を持つ森川蓮生氏をお招きしての、「マニアックトークショー」を開催します。
ホーロー看板に関するマニアックな情報と、その魅力を深堀りして、徹底的に語りつくすトークショーです。
どんな話が飛び出すか、あなたもホーロー看板の世界に飛び込んでみませんか?
【開催日】 令和7年4月19日(土曜)
【時 間】 午後1時30分から3時30分(予定)
【会 場】 伊那市創造館 3階 講堂
【参加者】 どなたでも(申込不要)
【入場料】 入場無料
【講 師】 高橋 英之氏(たかはしひでゆき)
CMディレクター
【ゲストスピーカー】 森川 蓮生氏(もりかわれん)
テレビ朝日系バラエティ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に『ホーロー看板博士ちゃん』として出演経験を持つ。「昭和レトロを愛する中学生」
・高橋 英之氏
CMディレクター
1972年生まれ 兵庫県出身
1992年 金沢市立金沢美術工芸大学・商業デザイン科入学
同級生の伊藤雅克氏とホーロー看板の収集を始める。
1996年 CMプロダクション入社
2009年 独立
主な TVCM 作品
日本医師会、日本たばこ産業、日本郵便、JR東日本、JR西日本、東急電鉄、関西電力、中部電力、東京ガス、大阪ガス、NTTドコモ、NTTファシリティーズ、東京海上日動火災保険、野村不動産、三井ホーム、Panasonic、ソニー、東芝、タイガー魔法瓶、本田技研工業、ほか多数。
主な受賞作
2008年 ACC ゴールド
日本医師会「長期療養ベッド数削減」
2009年 広告電通賞 優秀賞
日本医師会「女性医師」
2009年 ギャラクシー賞 入賞
日本医師会「男性医師」「女性医師」
2010年 広告電通賞 最優秀賞
パナソニック携帯電話「さよならのとき」
2010年 日テレCM大賞
サッポロビール「箱根駅伝CM」
ほか多数。
・ゲストスピーカー
森川 蓮生氏
2010年生まれ。
千葉県在住の中学3年生(令和7年4月時点)。
昭和レトロをこよなく愛するホーロー看板コレクター。
テレビ朝日系バラエティ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に『ホーロー看板博士ちゃん』として数回出演。
〇企画展「伊藤雅克コレクション 昭和のホーロー看板展」は、入場無料で開催しておりますが、コレクター 故・伊藤雅克氏の故郷が石川県穴水町であることから、「令和6年能登半島地震災害義援金」を受け付けております。義援金をお納めいただいた方には「昭和のホーロー看板展」特製トレーディングカードを差し上げます。
カードのイラストは伊藤雅克氏の大学時代の同級生で「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」監督の米林宏昌氏。
赤レンガの高架と道行く人を色彩豊かな表現で描いた「有楽町附近」(東京国立近代美術館蔵)で知られる洋画家 鈴木金平(1896-1978)とその同時代の芸術家たちの絵画展を開催します。
鈴木金平は岸田劉生に師事し、白馬会葵橋洋画研究所で油絵を学びます。大正元(1912)年には、その卓越した画力が評価され16歳の若さで日本初の表現主義の美術運動であるヒュウザン会結成に参加。のちに中村彜に出会い、彝周辺の画家たちとともに「金塔社」の結成に参加。彝の代表的著作である『芸術の無限感』(1926年刊行)を編集するなどその活動を支えました。33年には牧野虎雄らを中心とした「旺玄社」の創立に参画し、戦後には再興した「旺玄会」で中心メンバーとなり洋画界で活躍しました。
このたびは鈴木金平の油彩作品 約30点を中心に、白馬会研究所の仲間で終生の友となる鈴木信太郎(1893-1994)、富士見町に滞在した曽宮一念(1895-1989)、諏訪で教鞭をとった宮芳平(1893-1971)の絵画、原村出身の清水多嘉示(1897-1981)が描いたアトリエ村のスケッチや風景絵画を展示。大正から昭和初期のアトリエ村で活躍した芸術家たちの作品をご紹介いたします。
展覧会名称:「大正・昭和初期の東京アトリエ村を彩った芸術家たち 鈴木金平と清水多嘉示」
会 期:令和7(2025)年4月5日(土)~6月22日(日)
主 催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会
協 賛:スワテック建設株式会社、諏訪信用金庫、株式会社イツミ、たてしな自由農園
入 館 料:高校生以上510円(460円)、小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村内の小中学生は学生証や図書カードなどの提示で入館無料。
【関連イベント】
◇講演会
1. 講演会「中村彜とその周辺—〈無限観〉の美意識で響きあう魂」
講師:阿王桂(中村彝会 代表)
日時::5月3日(土)13:30~15:00
2.講演会「白樺と美術」
講師:冨永淳子 (安曇野高橋節郎記念美術館 学芸員)
日時:6月14日(土)13:30~15:00
(同時開催:ミニ講座「白樺派と諏訪の芸術」塚崎美歩/八ヶ岳美術館 学芸員)
3.講演会「近代彫刻の巨匠たちと清水多嘉示」
講師:武井敏(碌山美術館 学芸員)
日時: 6月19日(木)13:30~15:00
◇ギャラリートーク
4月26日(土)10:00~11:00 5月5日(火・休)14:00~15:00
※各回 とも要予約 参加費:無 料(入館料別途) 会場:八ヶ岳美術館 企画展示室
◇親子体験教室
1. そっくりに描こう!油絵で名画ワークショップ 4月13日(日)13:00~15:00
小さなキャンバスに油絵具で近代の名画を模写します
日時:4月13日(日)13:30~15:00
2. 彫刻のポーズをとって描こう!クロッキー会
彫刻作品のポーズをとり、鉛筆で描いてみましょう
日時:5月17日(土)13:30~15:00
※各回 とも 参加費:無料(入館料別途)/要予約 会場:八ヶ岳美術館 企画展示室
◆展示替え日程 会期中 4月26日(土)から展示替えを行います。
(鈴木信太郎・中村彝の作品の追加を予定しております)
「略画」とは、対象の形を省略し簡略な筆致で描いた絵のことを指します。葛飾北斎が『北斎漫画』をつくる際、ヒントにしたと言われる鍬形蕙斎の『略画式』の序文には、「略画」についてさらに踏み込んで次のような言及があります。「形によらず精神を写す、形をたくまず略せるを以て略画式と題す」。この言葉からは、蕙斎の略画が単純に簡略な絵というだけでなく、細部は省略しながらも対象の核心を描きあらわすものとして考えられていたことがわかります。
葛飾北斎は50歳を過ぎた頃から『北斎漫画』をはじめとする絵手本の制作に力を注ぎ始め、そのなかでしばしば略画を用いました。略画は、対象を小さく簡潔に描くため1ページの中で複数の画題を紹介することができる点で絵手本に適していたのでしょう。例えば、いろは順に画題を紹介する『画本早引』では、それぞれの見開きページに30点から40点ほどものテーマを略画で描きこんでいます。ただし、略画が選択されたのは限られた紙面のなかでたくさんの画題を紹介できるという理由だけではなさそうです。
北斎が手がけた櫛やキセルの図案集『今様櫛きん雛形』には、やはり略画の図案が紹介されています。当時の職人が実際にデザインに使用していたと考えられているこの図案集の中に略画が紹介されていることからは、略画の形そのものが意匠的な魅力をもつものとして江戸時代の人々にも受け止められていたことが窺えます。
こういった略画は、それまで北斎が手がけていた読本挿絵などの緻密な描写とはまったく異なるものですが、細部が省略されているゆえの形の面白さは現代にも通じるものでしょう。
本展では、館蔵の版本作品のなかから略画で描かれた人物や動植物を展示し、略画の世界をご紹介します。細部が省略されていても対象の特徴が失われずに表現される略画の世界をお楽しみ下さい。
明治末期から昭和後期までの軽井沢ゆかりの文学者約50 人による、軽井沢が描かれた詩・小説・随筆・戯曲、俳句、短歌等を、著作、原稿、書簡、初出紙誌、絵画、遺愛の品等の館所蔵資料約 200 点で紹介します。豊饒な軽井沢文学を一望できます。
☆紹介する主な文学者:有島武郎、正宗白鳥、室生犀星、芥川龍之介、北原白秋、川端康成、堀辰雄、立原道造、野上弥生子、岸田國士、芹沢光治良、中村真一郎、福永武彦、遠藤周作、辻邦生、北杜夫、加賀乙彦ほか。
※4/23,24,25休館
写真:有島武郎
軽井沢高原文庫
THE LITERARY MUSEUM OF KARUIZAWA
開館時間:9:00~17:00
休館日:会期中無休
料金:大人(高校生以上)800円、小中学生400円
(入館料には堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘「浄月庵」、野上弥生子書斎の見学も含まれています。)
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3 TEL0267-45-1175 Fax.0267-45-6626
http://kogenbunko.jp 〒389-0111
□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)
深沢紅子(1903-1993)は、上京して岡田三郎助のもとで油彩画を学び、一水会展、女流画家展などに作品を発表するかたわら、1930年代から訪れていた軽井沢をこよなく愛し、1964年から1983年までの20年間、軽井沢の堀辰雄1412番山荘(現在、軽井沢高原文庫に移築)を夏のアトリエとして使用し、浅間高原に咲く多くの野の花を水彩で描き続けました。
本展では、深沢紅子が長年にわたり描いた野の花の油彩・水彩作品の中から、春から夏にかけて高原を彩る花を描いた作品をご覧いただきます。紅子が野の花作品に込めた思いを感じていただけたら幸いです。子供の頃、日本画を習っていた紅子の特徴がよく出た屏風絵も含め、約50点を展観します。
画像:「風薫る~春から夏を彩る野の花たち~」チラシ表
【休館日・入館料】
入館料/大人600円、小中学生300円
開館時間:9:00~17:00
<イベント>
野の花さんぽ2025
軽井沢の自然の豊かさと、軽井沢タリアセンに残された里山を発見する「野の花さんぽ」シリーズ
を2025年も開催します。四季折々に咲く花や植物たちを、一緒に歩きながら、途中クイズなどに
挑戦しながら楽しく探します。植物に詳しくない初心者の方も大歓迎です。どうぞお気軽にご参加
ください。
日時:5月11日(日)10:00~11:30、7月12日(土)13:30~15:00、8月9日(土)13:30~15:00
料金:深沢紅子野の花美術館入館料(大人600円 小・中学生300円)
定員:10名程度 ※要予約 ※小雨決行
ガイド:軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員
集合:当日、深沢紅子野の花美術館入館券またはミュージアムセット券をご購入のうえ、開始時刻の5分前までに軽井沢タリアセン中央ゲート前までお越しください。
予約受付:電話:0267-46-6161 または FAX:0267-45-3663 までご連絡ください。
予約は前日15時まで受け付けております。
入館料/大人600円、小中学生300円
会期中無休
開館時間:9:00~17:00
次回展示
「山粧う~夏から秋を彩る野の花たち~」
8月28日(木)~2026年1月12日(月)
※展覧会およびイベントは、予告なく変更または中止する場合がございます。
【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)、徒歩12分
深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内(※軽井沢タリアセンに入園しなくても直接入館できます。)
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com
この展覧会では、レイモンペイネのユーモアのある作品を中心にご覧いただきます。生涯にわたり画中にユーモアやアイディアを次々と生み出していく様子はまるで枯れない泉のようです。
会期:2025年3月15日(土)~2025年9月2日(火) 会期中無休
時間:午前9時~午後5時
会場:重要文化財 アントニン・レーモンド「夏の家」
料金:大人1100円、小中学生500円(軽井沢タリアセン入園料大人900円を含む)
<画像>「ユーモアが溢れるペイネの展覧会」チラシ
ペイネ美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 電話0267-46-6161
http://http://www.karuizawataliesin.com/
高遠石工は江戸時代に急速に発展していった職人集団で、手がけた石造物が立派で簡単に倒壊しないことなどからブランドのように認識されていたとみられ、歴史的・文化的価値を持つ文化財だと認識されるに至っています。
この高遠石工の中で最も注目を集めたのは守屋貞治です。江戸時代の明和2年(1765)に生まれた貞治は、祖父貞七と父孫兵衛が石工であったことから自らも石工の道に進み、336体もの石仏を建立し、『石仏菩薩細工』という記録を遺しました。また、伊勢河崎の宝珠院に石仏を納めた際や身延の七面山に登った際の旅行記を遺し、石仏造立に対する思いを記しています。江戸時代の職人が記録を遺すことは珍しいことで、その記録から明らかになってきた貞治の石仏(貞治仏)が一際美しい彫造であることから、石造文化財の研究者のみならず、歴史の研究者や一般の人々にも注目され、守屋貞治は高遠石工を代表する人物であると評価されています。
今回の企画展では、高遠石工守屋貞治に関する調査の成果を示し、彼が遺した記録と石仏を展示します。実物の鑑賞を通して貞治仏が持つ美術的な魅力を感じていただければ幸いです。
会期 令和7年3月1日(土)から6月15日(日)まで 93日間
休館日 3月3日(月)・4日(火)・10日(月)・17日(月)・
24日(月)、4月21日(月)、5月7日(水)・8日(木)・12日(月)・
19日(月)・20日(火)・26日(月)、6月2日(月)・9日(月))
会場 伊那市立高遠町歴史博物館 2階 第3展示室
主催 伊那市教育委員会(伊那市立高遠町歴史博物館)
協力 伊那市立高遠町図書館、伊那市商工観光部観光課・
高遠商工観光課、一般社団法人伊那市観光協会、
一般社団法人高遠石工研究センター、温泉寺、
建福寺、瑞光寺、善福寺、大泉寺、大蔵寺、
守谷太志氏、小町谷尚子氏ほか
入館料 一般 400円(20名以上の団体は1名あたり300円)
※ 小中学生、高校生、養護学校生徒及び18歳未満の方は無料
※ 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を
お持ちの方とその付き添いの方1名は入館料免除
市立岡谷美術考古館では、岡谷市にゆかりのある美術作家の皆様ほか、地域の皆様より、多くの作品をご寄贈いただいて参りました。その作品は、1970年の開館以来、現在に至るまで840点あまりとなっています。
そのうち近年に新しく寄贈を受けた作品を、令和6年11月14日から令和7年2月2日まで開催の「新収蔵作品展 1」 に続いて展示します。
岡谷の洋画界の礎を築いた髙橋貞一郎と野村千春の作品は、近年まとまった数のご寄贈を受けました。それぞれ、画業のさまざまな時期の特徴がよく表れた作品を収蔵することが叶い、コレクションがより充実することとなりました。また、原村出身の書家で、岡谷の書家たちにも大きな影響を与えた津金寉仙の自作詩屏風もご寄贈いただきましたが、非常に見ごたえのある作品です。
本展では、多くの新収蔵作品の中から、一部をご紹介します。なお、新収蔵作品の中には、最近の展覧会ですでに公開したものもございます。
会期:2月6日(木)~4月14日(月)
休館日:毎週水曜日、祝日の翌日
開館時間:10:00~18:00
入館料:一般370円(260円)、小・中学生160円(110円)
※4月1日より入館料が改定となります
一般420円(290円)、小・中学生180円(120円)
※( )は10名以上の団体料金
※諏訪6市町村に在住・在学の小・中学生、岡谷市内に在住・在学の高校生は無料です
柘植伊佐夫展:記憶の人々(絵画)
ISAO TSUGE exhibition : PEOPLE OF MEMORY
※途中展示替えあり
会 場 伊那市創造館 1階特別展示室
会 期 令和7年3月29日(土曜日)から令和7年6月30日(月曜日)
時 間 午前10時から午後5時(最終入館時間午後4時45分)
休館日 毎週火曜日・令和7年3月21日(金曜日)
観覧料 無料
柘植伊佐夫
人物デザイナー
1960年生まれ。
滝田洋二郎監督「おくりびと」など多くの映像作品のビューティディレクションを担当。
08年以降、作品のキャラクター像をトータルで創造する「人物デザイン」を開拓。現在、衣装・ヘアメイク・持ち道具を統括し、人物デザイナーとして扮装を総合的に表現している。
主な映像作品に、NHK作品から『龍馬伝』『平清盛』『どうする家康』(大河ドラマ)、『精霊の守り人』(大河ファンタジー)、『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』(8Kスペシャルドラマ)、『岸辺露伴は動かない』(ドラマ)。
映画は『メルド』(レオス・カラックス監督)、『拘束のドローイング9』(マシュー・バーニー監督)、『十三人の刺客』(三池崇史監督)、『翔んで埼玉』『翔んで埼玉琵琶湖より愛をこめて』『はたらく細胞』(武内英樹監督)、『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督・樋口真嗣監督)、『シン・仮面ライダー』(庵野秀明監督)、『岸辺露伴ルーヴルへ行く』(渡辺一貴監督)など。
舞台作品は、『六本木歌舞伎 座頭市』(三池崇史演出)、『赤⻤』『MIWA』『Q:A Night At The Kabuki』(野田秀樹演出)、『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』『王将』『常陸坊海尊』(長塚圭史演出)、『PLUTO』『舞台・エヴァンゲリオンビヨンド』(シディ・ラルビ・シェルカウイ演出)などがある。
著書は『龍馬デザイン。』(幻冬舎)、『さよならヴァニティー』(講談社)。
人物デザインの傍で、絵画制作を行う。
記憶の人々
わたくしは多くの人々に出会い、多くの映画や舞台のなかに登場する人物を創造する仕事を、長く勤めさせていただいています。はじめに就いた仕事は美容師ですが、ご縁あってヘアメイクとなり、その後に先輩や仲間に引き立てられて、「人の姿そのもの」を生み出す仕事に変わっていきました。
これまで進んでまいりました道は、偶然に後押しされて開かれた機会がほとんどでありましたから、特に強く目的を目指してきたのでもなく、流されてここまで来たのではないかと反省することもあります。そのような地に足がしっかりしていない私ですが、いつも心に現れてくる画像があり、それだけが自分にとって確かなことだったのかもしれません。
そのような「心の画像」をはっきりとさせようと、絵筆をとってタブローに向かう時がありました。それらの多くは人であったり、何かのイメージでした。
私に絵を教えてくれたのは亡き父でした。息子とは父親に抗う気持ちを抱くもので、私もその例外ではありませんでしたが、絵画について手を取ってくれたことを今も感謝しています。
つまり父が、私にとって「記憶の人々」の始まりであることは間違いがなく、今回の展示はその記憶を辿る私的な旅でもあります。
たのしい「教訓」の世界? イソップ童話の面白さ
絵本の起源と言われる「世界図絵」は、現在でいう教科書や図鑑のような役割を持っていました。その後、「ホーン・ブック」「バトルドア」など、聖書の内容やアルファベットを子どもに教える印刷物が普及し、現在の絵本を含む子どものための本につながっていきました。加えて18世紀の教育では、子どもに知識や道徳を教えることが重視されるようになります。こうして、子どものための本は、「子どもにものを教えること」から出発しました。
この時期の子どもの本は、「教訓」を題材にすることが多くありました。そこでよく取り上げられたのが「イソップ童話」です。動物が擬人化したような形で、人生の教訓や風刺を表現するお話は「寓話」と呼ばれ、イソップ童話はこの最たる例です。19世紀末~20世紀になると、イソップ童話はウォルター・クレイン、アーサー・ラッカムといった現代絵本の創成期に活躍した画家たちによって、子どもの本に描かれるようになりました。堅苦しく感じる「教訓」も、動物の姿を通して教えてくれるイソップ童話に、子どもたちは親しみを覚えてきたのです。
本展では、長野県佐久市在住の絵本画家・いまいあやのによる『イソップ物語 13のおはなし』(BL出版、2012年)の絵本原画を中心に、さまざまなイソップ童話をイラストともにご紹介します。「ウサギとカメ」「キツネとぶどう」などの有名なものから、「オンドリと宝石」「泉のほとりのシカ」といったあまり知られていないものまで、多くのイソップ童話にふれていただくことができます。いまい氏が描くイソップ童話の中でも「みえっぱりのカラス」と「カラスとハトたち」は、それぞれのお話のずる賢いカラスが、一枚の絵の中で対になっているユニークな構図の作品です。
さらに、いまい氏の代表作『くつやのねこ』(BL出版、2010年)の特集展示を行います。素材となった「ながぐつをはいたねこ」の作者シャルル・ペローの紹介をまじえながら、本作の魅力をひも解いていきます。シャルル・ペローは、17世紀フランスの宮廷作家であり、「グリム童話」の編纂者・グリム兄弟にも大きな影響を与えました。本展では「イソップ童話」と合わせて「グリム童話」「ペロー童話」や「アンデルセン童話」といった、童話の種類についても解説していきます。
いまいあやの『イソップ物語 13のおはなし』©2012 Ayano Imai/BL出版
工房の想いがこめられた、エルツの小さなおもちゃたち
ドイツ・エルツ地方は、木のおもちゃ作りで世界的に有名な地域です。「おもちゃの町」として名高いザイフェンをはじめ、オルベルハウやドイチョイドルフなど、木のおもちゃ作りを営む地域が多くあります。
エルツ地方は、かつては鉱業で栄えた地域でした。しかし、17世紀になって鉱業が衰退すると、それまで副業的に行っていた木工品作りを本格的に行うようになります。現在、エルツ地方・ザイフェンには、約150のおもちゃ工房が存在し、個性豊かな木のおもちゃを生産しています。
エルツ地方のおもちゃ工房では、「くるみ割り人形」や「パイプ人形」といった伝統的なおもちゃの他に、多彩なミニチュアも制作されています。例えば、ライヒセンリンク工房では、春にぴったりな「花」のミニチュアが制作されています。ライヒセンリンク工房は、1904年にエミール・ライヒセンリンクが創業した工房です。エミールは、当時流行していた自動車のミニチュアを制作し、工房を軌道に乗せました。その息子エーリッヒが工房を継ぐと、より親しみのある「生誕」や「イースター」などのミニチュア制作を始めます。現在、工房の看板商品にもなっている「花」のミニチュアも、エーリッヒによって生み出されたものです。この「花」のミニチュアを孫娘のギッタがさらに発展させています。ライヒセンリンク工房では、親子で作品を受け継ぎ、守りながら、さらに発展させ現在まで伝えています。
1933年に創業のエミール・ヘルビッヒ工房は、木彫りのミニチュア制作が特徴的です。グリム童話や動物、絵画など、モチーフは多岐にわたります。作品は全て手彫りで行われており、動物の筋肉なども巧みに表現され、今にも動きだしそうな印象をうけます。ヘルビッヒ工房が大切にしている「手彫りにしかできない表現をする」という理念が、ミニチュアから伝わってきます。
本展では、エルツ地方のおもちゃのなかでも、ミニチュアを中心に展示します。エルツ地方のミニチュアは、1つ1つ手作業で作られています。そのため、制作にたくさんの時間がかかります。そんなミニチュアが現在まで伝わっているのは、工房の職人たちが代々、作品や技術を大切に守ってきたからでしょう。小さなミニチュアのなかには、工房の想いやこだわりが込められています。ミニチュアがつくる世界を楽しみながら、エルツ地方のおもちゃ工房を知る機会になれば幸いです。
温室 Reutter Porzellan/花屋のミニチュア、イースターラビット Leichsenring
平山和子(1934~2022年)は、多くの人が手にしたことがあるロングセラー絵本『くだもの』を始めとし、多くの幼児向け絵本を描いてきました。その美しく誠実さを感じるタッチの作品の中から、現在も子どもたちに愛されている下記の5タイトルの絵本原画すべてを展示いたします。 貴重な原画からはどれも、果物や野菜、植物などに対しての真摯なまなざしと、子どもたちへの愛情を感じることができます。親子のコミュニケーション(心の通い合い)がスムーズにできやすい絵本として「子どもがはじめて出会う絵本」とブックスタート事業など様々な場面で推奨されてきた作品の魅力を、原画を通してより触れて頂ければ幸いです。
また、平山和子は、やはり多くの絵本の出版に関わってきた夫・平山英三と共に1987年に長野県黒姫に移住し、その自然の美しさを見てほしいと「落ち葉美術館」と題して2004年~2015年の間に計17回の作品展を開いていました。今回の展示では、「落ち葉美術館」の写真や資料、絵本『おにぎり』のためのスケッチを通して、夫婦が二人三脚で絵本づくりをした活動の様子もご覧頂けます。
【展示作品】
『たんぽぽ』『くだもの』『いちご』『やさい』 平山和子/作・絵
『おにぎり』平山英三/文 平山和子/絵
(以上、すべて 福音館書店刊)各、原画全点
他、「落ち葉美術館」資料、『おにぎり』スケッチなど
絵本美術館&コテージ 森のおうち
開館時間●9:30~17:00 ※12~2月は16:30閉館(最終入館は閉館30分前まで、変更日・館HP参照)
休館日●木曜 ※、2月のみ水・木曜日 (祝日振り替え有り)
入館料●大人900円 小・中学生500円 3歳以上250円 3歳未満無料
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL0263-83-5670、FAX0263-83-5885
2025年は昭和100年!
伊那市創造館では、昭和の街を彩ったレトロなホーロー看板を展示する企画展を開催しています。
石川県穴水町出身の広告ディレクター伊藤雅克(いとうまさかつ)氏(1972-2019)が、高校時代から30年間をかけて収集した貴重なホーロー看板400点以上を展示し、昭和の広告史と産業史を振り返ります。
場所 2階企画展示室
会期 令和6年12月7日(土)~令和7年5月26日(月)
時間 午前10時~午後5時 (最終入場は4時45分)
※会期中の休館日は、毎週火曜、祝日の翌日(2月12日・3月21日)。
GW中は火曜日以外開館します。詳しくはお問い合わせください。
イラスト 米林宏昌
※入場は無料ですが、会場では伊藤氏の故郷、能登半島のための地震災害義援金を受け付けます。
2025年に開館30周年を迎えるサンリツ服部美術館は、長野県で最も大きな湖・諏訪湖のほとりに建っています。建物は「水辺より湧き上がる雲」をイメージして設計されており、館内2階の喫茶室からは春夏秋冬、朝に夕に多彩な表情をみせる諏訪湖を眺めることができます。この度は開館30周年を記念し、服部一郎コレクションより、湖を囲む諏訪の地のように水のある風景を描いた作品をご紹介いたします。
自然の景色は古来より多くの人々をひきつけ、画家たちはその景観を作品に描きこんできました。なかでも刻一刻と変化する湖畔や明るい光に照らされた河川、雄大な海などの水辺の風景を描いた作品は枚挙に暇がなく、画家たちが好んで題材としてきたことがうかがえます。また水には様々なイメージが重ねられ、画家の心象風景を表したり、河川がその地域の風土を象徴するものとして描写されるなど、その表現は多岐にわたっています。
本展ではコレクションより湖・川・海や、水を象徴的に描いた近現代の作品を多数ご紹介いたします。画家たちが描いた多様な水の風景をお楽しみいただけますと幸いです。
この度は、サンリツ服部美術館の所蔵品のなかから、陶磁器、漆工、染織品といった工芸品に施された文様をご紹介いたします。
食器・衣服・装飾品・建物など、私たちの身の回りのものには様々な文様が表されています。文様は古くから人々とともにあり、幾何学文や動物文、植物文、人物文など、多種多様な意匠の文様がつくられてきました。その土地の風土や習慣、時代の流行を反映した個性豊かな文様には、当時の人々の願いや美意識が込められています。
良縁を意味する七宝繋(しっぽうつなぎ)文(もん)が透かし彫りされた虫籠や、和歌や古典文学に多く登場する武蔵野の風景を象徴するモチーフが描かれた鉢、桃山時代から江戸時代初期に流行した菊桐文様が施された棗などの工芸品を通じて、文様の美や歴史に触れる機会となりましたら幸いです。
絵師でありデザイナーでもあった葛飾北斎の作品は、多くのものに影響を与えながら時を超えて現代でも生き生きと輝いています。
本展覧会では、『新形小紋帳』や『今様櫛キセル雛形』などの北斎が手がけた江戸時代のデザイン集と合わせ、北斎作品の絵柄が織られた西陣織の帯や、伝統的な染めの技法で表現された北斎デザインの反物や着物なども紹介します。
京都の西陣織あさぎ美術館、小紋屋高田勝、亀田富染工場、東京の久米繊維工業、そして宮城県気仙沼の気仙沼ニッティングの協力を得て、各工房の職人たちが丹精込めて作り上げた北斎をテーマにした作品と、彼らのものづくりへの思い、そして北斎作品の今後の展望と可能性に視点を当てた展覧会です。
令和6年、当館は開館30周年を迎えました。本展では、30年間収集した館蔵資料(考古資料)を対象として、
(1)長野県の特徴をあらわす遺物の展示
(2)長野県の文化力を表現する遺物の展示
(3)常設展示に合わせた展示テーマを前提とした30年間の資料収集、研究の進展についての提示
の3つの柱に基づき、これまで展示の機会が少なかった所蔵品を中心に展示します。また、長野県史考古資料編刊行(1988年)から36年の節目に、これまで長野県内で発掘調査した遺跡の成果から、長野県史を再考する機会とします。
(写真:「卑弥呼の時代の赤い壷」(篠ノ井遺跡群出土・当館蔵)
東京にガラス工房を構える渡邊徳明さんの個展です。
渡邊さんは耐熱ガラスとバーナーワーク技法で作品を制作しています。透明なガラス素地に純金・銀・プラチナ厚箔や色ガラスを重ねた作品は、シンプルでありながら華やかで、手作りのぬくもりが感じられます。
高い技術で制作された酒器やうつわを中心に、日々の生活を豊かに彩る作品の数々をご覧ください。
【 渡邊徳明 オリジナル技法 「ひびき」 】
耐熱ガラスのなかに、純金厚箔とガラスを交互に何層も重ねて封じることで、箔と箔の反射によりオレンジ色に輝くことを1987年に発見。
この技法を「ひびき」と命名、以後作家の主要な技として様々な作品に使われています。
■会期: 2025年4月12日(土)~5月25日(日)
■開館時間: 9:00~18:00(入場は17:30まで)
■休館日: 5月20日(火)
■会場: 北澤美術館 1階 多目的ギャラリー
■入館料: 大人(高校生以上)1000円、中学生500円、小学生以下無料
団体(8名以上)100円引
※この料金で北澤美術館の展示室をすべてご覧いただけます
■作家在廊日: 4月12日(土)
赤レンガの高架と道行く人を色彩豊かな表現で描いた「有楽町附近」(東京国立近代美術館蔵)で知られる洋画家 鈴木金平(1896-1978)とその同時代の芸術家たちの絵画展を開催します。
鈴木金平は岸田劉生に師事し、白馬会葵橋洋画研究所で油絵を学びます。大正元(1912)年には、その卓越した画力が評価され16歳の若さで日本初の表現主義の美術運動であるヒュウザン会結成に参加。のちに中村彜に出会い、彝周辺の画家たちとともに「金塔社」の結成に参加。彝の代表的著作である『芸術の無限感』(1926年刊行)を編集するなどその活動を支えました。33年には牧野虎雄らを中心とした「旺玄社」の創立に参画し、戦後には再興した「旺玄会」で中心メンバーとなり洋画界で活躍しました。
このたびは鈴木金平の油彩作品 約30点を中心に、白馬会研究所の仲間で終生の友となる鈴木信太郎(1893-1994)、富士見町に滞在した曽宮一念(1895-1989)、諏訪で教鞭をとった宮芳平(1893-1971)の絵画、原村出身の清水多嘉示(1897-1981)が描いたアトリエ村のスケッチや風景絵画を展示。大正から昭和初期のアトリエ村で活躍した芸術家たちの作品をご紹介いたします。
展覧会名称:「大正・昭和初期の東京アトリエ村を彩った芸術家たち 鈴木金平と清水多嘉示」
会 期:令和7(2025)年4月5日(土)~6月22日(日)
主 催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会
協 賛:スワテック建設株式会社、諏訪信用金庫、株式会社イツミ、たてしな自由農園
入 館 料:高校生以上510円(460円)、小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村内の小中学生は学生証や図書カードなどの提示で入館無料。
【関連イベント】
◇講演会
1. 講演会「中村彜とその周辺—〈無限観〉の美意識で響きあう魂」
講師:阿王桂(中村彝会 代表)
日時::5月3日(土)13:30~15:00
2.講演会「白樺と美術」
講師:冨永淳子 (安曇野高橋節郎記念美術館 学芸員)
日時:6月14日(土)13:30~15:00
(同時開催:ミニ講座「白樺派と諏訪の芸術」塚崎美歩/八ヶ岳美術館 学芸員)
3.講演会「近代彫刻の巨匠たちと清水多嘉示」
講師:武井敏(碌山美術館 学芸員)
日時: 6月19日(木)13:30~15:00
◇ギャラリートーク
4月26日(土)10:00~11:00 5月5日(火・休)14:00~15:00
※各回 とも要予約 参加費:無 料(入館料別途) 会場:八ヶ岳美術館 企画展示室
◇親子体験教室
1. そっくりに描こう!油絵で名画ワークショップ 4月13日(日)13:00~15:00
小さなキャンバスに油絵具で近代の名画を模写します
日時:4月13日(日)13:30~15:00
2. 彫刻のポーズをとって描こう!クロッキー会
彫刻作品のポーズをとり、鉛筆で描いてみましょう
日時:5月17日(土)13:30~15:00
※各回 とも 参加費:無料(入館料別途)/要予約 会場:八ヶ岳美術館 企画展示室
◆展示替え日程 会期中 4月26日(土)から展示替えを行います。
(鈴木信太郎・中村彝の作品の追加を予定しております)
「略画」とは、対象の形を省略し簡略な筆致で描いた絵のことを指します。葛飾北斎が『北斎漫画』をつくる際、ヒントにしたと言われる鍬形蕙斎の『略画式』の序文には、「略画」についてさらに踏み込んで次のような言及があります。「形によらず精神を写す、形をたくまず略せるを以て略画式と題す」。この言葉からは、蕙斎の略画が単純に簡略な絵というだけでなく、細部は省略しながらも対象の核心を描きあらわすものとして考えられていたことがわかります。
葛飾北斎は50歳を過ぎた頃から『北斎漫画』をはじめとする絵手本の制作に力を注ぎ始め、そのなかでしばしば略画を用いました。略画は、対象を小さく簡潔に描くため1ページの中で複数の画題を紹介することができる点で絵手本に適していたのでしょう。例えば、いろは順に画題を紹介する『画本早引』では、それぞれの見開きページに30点から40点ほどものテーマを略画で描きこんでいます。ただし、略画が選択されたのは限られた紙面のなかでたくさんの画題を紹介できるという理由だけではなさそうです。
北斎が手がけた櫛やキセルの図案集『今様櫛きん雛形』には、やはり略画の図案が紹介されています。当時の職人が実際にデザインに使用していたと考えられているこの図案集の中に略画が紹介されていることからは、略画の形そのものが意匠的な魅力をもつものとして江戸時代の人々にも受け止められていたことが窺えます。
こういった略画は、それまで北斎が手がけていた読本挿絵などの緻密な描写とはまったく異なるものですが、細部が省略されているゆえの形の面白さは現代にも通じるものでしょう。
本展では、館蔵の版本作品のなかから略画で描かれた人物や動植物を展示し、略画の世界をご紹介します。細部が省略されていても対象の特徴が失われずに表現される略画の世界をお楽しみ下さい。
深沢紅子(1903-1993)は、上京して岡田三郎助のもとで油彩画を学び、一水会展、女流画家展などに作品を発表するかたわら、1930年代から訪れていた軽井沢をこよなく愛し、1964年から1983年までの20年間、軽井沢の堀辰雄1412番山荘(現在、軽井沢高原文庫に移築)を夏のアトリエとして使用し、浅間高原に咲く多くの野の花を水彩で描き続けました。
本展では、深沢紅子が長年にわたり描いた野の花の油彩・水彩作品の中から、春から夏にかけて高原を彩る花を描いた作品をご覧いただきます。紅子が野の花作品に込めた思いを感じていただけたら幸いです。子供の頃、日本画を習っていた紅子の特徴がよく出た屏風絵も含め、約50点を展観します。
画像:「風薫る~春から夏を彩る野の花たち~」チラシ表
【休館日・入館料】
入館料/大人600円、小中学生300円
開館時間:9:00~17:00
<イベント>
野の花さんぽ2025
軽井沢の自然の豊かさと、軽井沢タリアセンに残された里山を発見する「野の花さんぽ」シリーズ
を2025年も開催します。四季折々に咲く花や植物たちを、一緒に歩きながら、途中クイズなどに
挑戦しながら楽しく探します。植物に詳しくない初心者の方も大歓迎です。どうぞお気軽にご参加
ください。
日時:5月11日(日)10:00~11:30、7月12日(土)13:30~15:00、8月9日(土)13:30~15:00
料金:深沢紅子野の花美術館入館料(大人600円 小・中学生300円)
定員:10名程度 ※要予約 ※小雨決行
ガイド:軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員
集合:当日、深沢紅子野の花美術館入館券またはミュージアムセット券をご購入のうえ、開始時刻の5分前までに軽井沢タリアセン中央ゲート前までお越しください。
予約受付:電話:0267-46-6161 または FAX:0267-45-3663 までご連絡ください。
予約は前日15時まで受け付けております。
入館料/大人600円、小中学生300円
会期中無休
開館時間:9:00~17:00
次回展示
「山粧う~夏から秋を彩る野の花たち~」
8月28日(木)~2026年1月12日(月)
※展覧会およびイベントは、予告なく変更または中止する場合がございます。
【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)、徒歩12分
深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内(※軽井沢タリアセンに入園しなくても直接入館できます。)
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com
この展覧会では、レイモンペイネのユーモアのある作品を中心にご覧いただきます。生涯にわたり画中にユーモアやアイディアを次々と生み出していく様子はまるで枯れない泉のようです。
会期:2025年3月15日(土)~2025年9月2日(火) 会期中無休
時間:午前9時~午後5時
会場:重要文化財 アントニン・レーモンド「夏の家」
料金:大人1100円、小中学生500円(軽井沢タリアセン入園料大人900円を含む)
<画像>「ユーモアが溢れるペイネの展覧会」チラシ
ペイネ美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 電話0267-46-6161
http://http://www.karuizawataliesin.com/
高遠石工は江戸時代に急速に発展していった職人集団で、手がけた石造物が立派で簡単に倒壊しないことなどからブランドのように認識されていたとみられ、歴史的・文化的価値を持つ文化財だと認識されるに至っています。
この高遠石工の中で最も注目を集めたのは守屋貞治です。江戸時代の明和2年(1765)に生まれた貞治は、祖父貞七と父孫兵衛が石工であったことから自らも石工の道に進み、336体もの石仏を建立し、『石仏菩薩細工』という記録を遺しました。また、伊勢河崎の宝珠院に石仏を納めた際や身延の七面山に登った際の旅行記を遺し、石仏造立に対する思いを記しています。江戸時代の職人が記録を遺すことは珍しいことで、その記録から明らかになってきた貞治の石仏(貞治仏)が一際美しい彫造であることから、石造文化財の研究者のみならず、歴史の研究者や一般の人々にも注目され、守屋貞治は高遠石工を代表する人物であると評価されています。
今回の企画展では、高遠石工守屋貞治に関する調査の成果を示し、彼が遺した記録と石仏を展示します。実物の鑑賞を通して貞治仏が持つ美術的な魅力を感じていただければ幸いです。
会期 令和7年3月1日(土)から6月15日(日)まで 93日間
休館日 3月3日(月)・4日(火)・10日(月)・17日(月)・
24日(月)、4月21日(月)、5月7日(水)・8日(木)・12日(月)・
19日(月)・20日(火)・26日(月)、6月2日(月)・9日(月))
会場 伊那市立高遠町歴史博物館 2階 第3展示室
主催 伊那市教育委員会(伊那市立高遠町歴史博物館)
協力 伊那市立高遠町図書館、伊那市商工観光部観光課・
高遠商工観光課、一般社団法人伊那市観光協会、
一般社団法人高遠石工研究センター、温泉寺、
建福寺、瑞光寺、善福寺、大泉寺、大蔵寺、
守谷太志氏、小町谷尚子氏ほか
入館料 一般 400円(20名以上の団体は1名あたり300円)
※ 小中学生、高校生、養護学校生徒及び18歳未満の方は無料
※ 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を
お持ちの方とその付き添いの方1名は入館料免除
柘植伊佐夫展:記憶の人々(絵画)
ISAO TSUGE exhibition : PEOPLE OF MEMORY
※途中展示替えあり
会 場 伊那市創造館 1階特別展示室
会 期 令和7年3月29日(土曜日)から令和7年6月30日(月曜日)
時 間 午前10時から午後5時(最終入館時間午後4時45分)
休館日 毎週火曜日・令和7年3月21日(金曜日)
観覧料 無料
柘植伊佐夫
人物デザイナー
1960年生まれ。
滝田洋二郎監督「おくりびと」など多くの映像作品のビューティディレクションを担当。
08年以降、作品のキャラクター像をトータルで創造する「人物デザイン」を開拓。現在、衣装・ヘアメイク・持ち道具を統括し、人物デザイナーとして扮装を総合的に表現している。
主な映像作品に、NHK作品から『龍馬伝』『平清盛』『どうする家康』(大河ドラマ)、『精霊の守り人』(大河ファンタジー)、『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』(8Kスペシャルドラマ)、『岸辺露伴は動かない』(ドラマ)。
映画は『メルド』(レオス・カラックス監督)、『拘束のドローイング9』(マシュー・バーニー監督)、『十三人の刺客』(三池崇史監督)、『翔んで埼玉』『翔んで埼玉琵琶湖より愛をこめて』『はたらく細胞』(武内英樹監督)、『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督・樋口真嗣監督)、『シン・仮面ライダー』(庵野秀明監督)、『岸辺露伴ルーヴルへ行く』(渡辺一貴監督)など。
舞台作品は、『六本木歌舞伎 座頭市』(三池崇史演出)、『赤⻤』『MIWA』『Q:A Night At The Kabuki』(野田秀樹演出)、『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』『王将』『常陸坊海尊』(長塚圭史演出)、『PLUTO』『舞台・エヴァンゲリオンビヨンド』(シディ・ラルビ・シェルカウイ演出)などがある。
著書は『龍馬デザイン。』(幻冬舎)、『さよならヴァニティー』(講談社)。
人物デザインの傍で、絵画制作を行う。
記憶の人々
わたくしは多くの人々に出会い、多くの映画や舞台のなかに登場する人物を創造する仕事を、長く勤めさせていただいています。はじめに就いた仕事は美容師ですが、ご縁あってヘアメイクとなり、その後に先輩や仲間に引き立てられて、「人の姿そのもの」を生み出す仕事に変わっていきました。
これまで進んでまいりました道は、偶然に後押しされて開かれた機会がほとんどでありましたから、特に強く目的を目指してきたのでもなく、流されてここまで来たのではないかと反省することもあります。そのような地に足がしっかりしていない私ですが、いつも心に現れてくる画像があり、それだけが自分にとって確かなことだったのかもしれません。
そのような「心の画像」をはっきりとさせようと、絵筆をとってタブローに向かう時がありました。それらの多くは人であったり、何かのイメージでした。
私に絵を教えてくれたのは亡き父でした。息子とは父親に抗う気持ちを抱くもので、私もその例外ではありませんでしたが、絵画について手を取ってくれたことを今も感謝しています。
つまり父が、私にとって「記憶の人々」の始まりであることは間違いがなく、今回の展示はその記憶を辿る私的な旅でもあります。
たのしい「教訓」の世界? イソップ童話の面白さ
絵本の起源と言われる「世界図絵」は、現在でいう教科書や図鑑のような役割を持っていました。その後、「ホーン・ブック」「バトルドア」など、聖書の内容やアルファベットを子どもに教える印刷物が普及し、現在の絵本を含む子どものための本につながっていきました。加えて18世紀の教育では、子どもに知識や道徳を教えることが重視されるようになります。こうして、子どものための本は、「子どもにものを教えること」から出発しました。
この時期の子どもの本は、「教訓」を題材にすることが多くありました。そこでよく取り上げられたのが「イソップ童話」です。動物が擬人化したような形で、人生の教訓や風刺を表現するお話は「寓話」と呼ばれ、イソップ童話はこの最たる例です。19世紀末~20世紀になると、イソップ童話はウォルター・クレイン、アーサー・ラッカムといった現代絵本の創成期に活躍した画家たちによって、子どもの本に描かれるようになりました。堅苦しく感じる「教訓」も、動物の姿を通して教えてくれるイソップ童話に、子どもたちは親しみを覚えてきたのです。
本展では、長野県佐久市在住の絵本画家・いまいあやのによる『イソップ物語 13のおはなし』(BL出版、2012年)の絵本原画を中心に、さまざまなイソップ童話をイラストともにご紹介します。「ウサギとカメ」「キツネとぶどう」などの有名なものから、「オンドリと宝石」「泉のほとりのシカ」といったあまり知られていないものまで、多くのイソップ童話にふれていただくことができます。いまい氏が描くイソップ童話の中でも「みえっぱりのカラス」と「カラスとハトたち」は、それぞれのお話のずる賢いカラスが、一枚の絵の中で対になっているユニークな構図の作品です。
さらに、いまい氏の代表作『くつやのねこ』(BL出版、2010年)の特集展示を行います。素材となった「ながぐつをはいたねこ」の作者シャルル・ペローの紹介をまじえながら、本作の魅力をひも解いていきます。シャルル・ペローは、17世紀フランスの宮廷作家であり、「グリム童話」の編纂者・グリム兄弟にも大きな影響を与えました。本展では「イソップ童話」と合わせて「グリム童話」「ペロー童話」や「アンデルセン童話」といった、童話の種類についても解説していきます。
いまいあやの『イソップ物語 13のおはなし』©2012 Ayano Imai/BL出版
工房の想いがこめられた、エルツの小さなおもちゃたち
ドイツ・エルツ地方は、木のおもちゃ作りで世界的に有名な地域です。「おもちゃの町」として名高いザイフェンをはじめ、オルベルハウやドイチョイドルフなど、木のおもちゃ作りを営む地域が多くあります。
エルツ地方は、かつては鉱業で栄えた地域でした。しかし、17世紀になって鉱業が衰退すると、それまで副業的に行っていた木工品作りを本格的に行うようになります。現在、エルツ地方・ザイフェンには、約150のおもちゃ工房が存在し、個性豊かな木のおもちゃを生産しています。
エルツ地方のおもちゃ工房では、「くるみ割り人形」や「パイプ人形」といった伝統的なおもちゃの他に、多彩なミニチュアも制作されています。例えば、ライヒセンリンク工房では、春にぴったりな「花」のミニチュアが制作されています。ライヒセンリンク工房は、1904年にエミール・ライヒセンリンクが創業した工房です。エミールは、当時流行していた自動車のミニチュアを制作し、工房を軌道に乗せました。その息子エーリッヒが工房を継ぐと、より親しみのある「生誕」や「イースター」などのミニチュア制作を始めます。現在、工房の看板商品にもなっている「花」のミニチュアも、エーリッヒによって生み出されたものです。この「花」のミニチュアを孫娘のギッタがさらに発展させています。ライヒセンリンク工房では、親子で作品を受け継ぎ、守りながら、さらに発展させ現在まで伝えています。
1933年に創業のエミール・ヘルビッヒ工房は、木彫りのミニチュア制作が特徴的です。グリム童話や動物、絵画など、モチーフは多岐にわたります。作品は全て手彫りで行われており、動物の筋肉なども巧みに表現され、今にも動きだしそうな印象をうけます。ヘルビッヒ工房が大切にしている「手彫りにしかできない表現をする」という理念が、ミニチュアから伝わってきます。
本展では、エルツ地方のおもちゃのなかでも、ミニチュアを中心に展示します。エルツ地方のミニチュアは、1つ1つ手作業で作られています。そのため、制作にたくさんの時間がかかります。そんなミニチュアが現在まで伝わっているのは、工房の職人たちが代々、作品や技術を大切に守ってきたからでしょう。小さなミニチュアのなかには、工房の想いやこだわりが込められています。ミニチュアがつくる世界を楽しみながら、エルツ地方のおもちゃ工房を知る機会になれば幸いです。
温室 Reutter Porzellan/花屋のミニチュア、イースターラビット Leichsenring
2025年は昭和100年!
伊那市創造館では、昭和の街を彩ったレトロなホーロー看板を展示する企画展を開催しています。
石川県穴水町出身の広告ディレクター伊藤雅克(いとうまさかつ)氏(1972-2019)が、高校時代から30年間をかけて収集した貴重なホーロー看板400点以上を展示し、昭和の広告史と産業史を振り返ります。
場所 2階企画展示室
会期 令和6年12月7日(土)~令和7年5月26日(月)
時間 午前10時~午後5時 (最終入場は4時45分)
※会期中の休館日は、毎週火曜、祝日の翌日(2月12日・3月21日)。
GW中は火曜日以外開館します。詳しくはお問い合わせください。
イラスト 米林宏昌
※入場は無料ですが、会場では伊藤氏の故郷、能登半島のための地震災害義援金を受け付けます。
2025年に開館30周年を迎えるサンリツ服部美術館は、長野県で最も大きな湖・諏訪湖のほとりに建っています。建物は「水辺より湧き上がる雲」をイメージして設計されており、館内2階の喫茶室からは春夏秋冬、朝に夕に多彩な表情をみせる諏訪湖を眺めることができます。この度は開館30周年を記念し、服部一郎コレクションより、湖を囲む諏訪の地のように水のある風景を描いた作品をご紹介いたします。
自然の景色は古来より多くの人々をひきつけ、画家たちはその景観を作品に描きこんできました。なかでも刻一刻と変化する湖畔や明るい光に照らされた河川、雄大な海などの水辺の風景を描いた作品は枚挙に暇がなく、画家たちが好んで題材としてきたことがうかがえます。また水には様々なイメージが重ねられ、画家の心象風景を表したり、河川がその地域の風土を象徴するものとして描写されるなど、その表現は多岐にわたっています。
本展ではコレクションより湖・川・海や、水を象徴的に描いた近現代の作品を多数ご紹介いたします。画家たちが描いた多様な水の風景をお楽しみいただけますと幸いです。
この度は、サンリツ服部美術館の所蔵品のなかから、陶磁器、漆工、染織品といった工芸品に施された文様をご紹介いたします。
食器・衣服・装飾品・建物など、私たちの身の回りのものには様々な文様が表されています。文様は古くから人々とともにあり、幾何学文や動物文、植物文、人物文など、多種多様な意匠の文様がつくられてきました。その土地の風土や習慣、時代の流行を反映した個性豊かな文様には、当時の人々の願いや美意識が込められています。
良縁を意味する七宝繋(しっぽうつなぎ)文(もん)が透かし彫りされた虫籠や、和歌や古典文学に多く登場する武蔵野の風景を象徴するモチーフが描かれた鉢、桃山時代から江戸時代初期に流行した菊桐文様が施された棗などの工芸品を通じて、文様の美や歴史に触れる機会となりましたら幸いです。
令和6年、当館は開館30周年を迎えました。本展では、30年間収集した館蔵資料(考古資料)を対象として、
(1)長野県の特徴をあらわす遺物の展示
(2)長野県の文化力を表現する遺物の展示
(3)常設展示に合わせた展示テーマを前提とした30年間の資料収集、研究の進展についての提示
の3つの柱に基づき、これまで展示の機会が少なかった所蔵品を中心に展示します。また、長野県史考古資料編刊行(1988年)から36年の節目に、これまで長野県内で発掘調査した遺跡の成果から、長野県史を再考する機会とします。
(写真:「卑弥呼の時代の赤い壷」(篠ノ井遺跡群出土・当館蔵)
赤レンガの高架と道行く人を色彩豊かな表現で描いた「有楽町附近」(東京国立近代美術館蔵)で知られる洋画家 鈴木金平(1896-1978)とその同時代の芸術家たちの絵画展を開催します。
鈴木金平は岸田劉生に師事し、白馬会葵橋洋画研究所で油絵を学びます。大正元(1912)年には、その卓越した画力が評価され16歳の若さで日本初の表現主義の美術運動であるヒュウザン会結成に参加。のちに中村彜に出会い、彝周辺の画家たちとともに「金塔社」の結成に参加。彝の代表的著作である『芸術の無限感』(1926年刊行)を編集するなどその活動を支えました。33年には牧野虎雄らを中心とした「旺玄社」の創立に参画し、戦後には再興した「旺玄会」で中心メンバーとなり洋画界で活躍しました。
このたびは鈴木金平の油彩作品 約30点を中心に、白馬会研究所の仲間で終生の友となる鈴木信太郎(1893-1994)、富士見町に滞在した曽宮一念(1895-1989)、諏訪で教鞭をとった宮芳平(1893-1971)の絵画、原村出身の清水多嘉示(1897-1981)が描いたアトリエ村のスケッチや風景絵画を展示。大正から昭和初期のアトリエ村で活躍した芸術家たちの作品をご紹介いたします。
展覧会名称:「大正・昭和初期の東京アトリエ村を彩った芸術家たち 鈴木金平と清水多嘉示」
会 期:令和7(2025)年4月5日(土)~6月22日(日)
主 催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会
協 賛:スワテック建設株式会社、諏訪信用金庫、株式会社イツミ、たてしな自由農園
入 館 料:高校生以上510円(460円)、小中学生250円(200円)
※()内は20名以上の団体料金。諏訪6市町村内の小中学生は学生証や図書カードなどの提示で入館無料。
【関連イベント】
◇講演会
1. 講演会「中村彜とその周辺—〈無限観〉の美意識で響きあう魂」
講師:阿王桂(中村彝会 代表)
日時::5月3日(土)13:30~15:00
2.講演会「白樺と美術」
講師:冨永淳子 (安曇野高橋節郎記念美術館 学芸員)
日時:6月14日(土)13:30~15:00
(同時開催:ミニ講座「白樺派と諏訪の芸術」塚崎美歩/八ヶ岳美術館 学芸員)
3.講演会「近代彫刻の巨匠たちと清水多嘉示」
講師:武井敏(碌山美術館 学芸員)
日時: 6月19日(木)13:30~15:00
◇ギャラリートーク
4月26日(土)10:00~11:00 5月5日(火・休)14:00~15:00
※各回 とも要予約 参加費:無 料(入館料別途) 会場:八ヶ岳美術館 企画展示室
◇親子体験教室
1. そっくりに描こう!油絵で名画ワークショップ 4月13日(日)13:00~15:00
小さなキャンバスに油絵具で近代の名画を模写します
日時:4月13日(日)13:30~15:00
2. 彫刻のポーズをとって描こう!クロッキー会
彫刻作品のポーズをとり、鉛筆で描いてみましょう
日時:5月17日(土)13:30~15:00
※各回 とも 参加費:無料(入館料別途)/要予約 会場:八ヶ岳美術館 企画展示室
◆展示替え日程 会期中 4月26日(土)から展示替えを行います。
(鈴木信太郎・中村彝の作品の追加を予定しております)
深沢紅子(1903-1993)は、上京して岡田三郎助のもとで油彩画を学び、一水会展、女流画家展などに作品を発表するかたわら、1930年代から訪れていた軽井沢をこよなく愛し、1964年から1983年までの20年間、軽井沢の堀辰雄1412番山荘(現在、軽井沢高原文庫に移築)を夏のアトリエとして使用し、浅間高原に咲く多くの野の花を水彩で描き続けました。
本展では、深沢紅子が長年にわたり描いた野の花の油彩・水彩作品の中から、春から夏にかけて高原を彩る花を描いた作品をご覧いただきます。紅子が野の花作品に込めた思いを感じていただけたら幸いです。子供の頃、日本画を習っていた紅子の特徴がよく出た屏風絵も含め、約50点を展観します。
画像:「風薫る~春から夏を彩る野の花たち~」チラシ表
【休館日・入館料】
入館料/大人600円、小中学生300円
開館時間:9:00~17:00
<イベント>
野の花さんぽ2025
軽井沢の自然の豊かさと、軽井沢タリアセンに残された里山を発見する「野の花さんぽ」シリーズ
を2025年も開催します。四季折々に咲く花や植物たちを、一緒に歩きながら、途中クイズなどに
挑戦しながら楽しく探します。植物に詳しくない初心者の方も大歓迎です。どうぞお気軽にご参加
ください。
日時:5月11日(日)10:00~11:30、7月12日(土)13:30~15:00、8月9日(土)13:30~15:00
料金:深沢紅子野の花美術館入館料(大人600円 小・中学生300円)
定員:10名程度 ※要予約 ※小雨決行
ガイド:軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員
集合:当日、深沢紅子野の花美術館入館券またはミュージアムセット券をご購入のうえ、開始時刻の5分前までに軽井沢タリアセン中央ゲート前までお越しください。
予約受付:電話:0267-46-6161 または FAX:0267-45-3663 までご連絡ください。
予約は前日15時まで受け付けております。
入館料/大人600円、小中学生300円
会期中無休
開館時間:9:00~17:00
次回展示
「山粧う~夏から秋を彩る野の花たち~」
8月28日(木)~2026年1月12日(月)
※展覧会およびイベントは、予告なく変更または中止する場合がございます。
【アクセス】
JR北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」下車、タクシー約10分、または、しなの鉄道「中軽井沢駅」下車、タクシー約7分
上信越自動車道・碓氷軽井沢ICより車で約15分
<急行塩沢湖線>「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)、徒歩5分
<町内循環バス東・南廻り線>通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「風越公園」下車(有料100円)、徒歩12分
深沢紅子野の花美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217 軽井沢タリアセン内(※軽井沢タリアセンに入園しなくても直接入館できます。)
電話0267―45―3662
FAX0267―45―6466
http://taliesin@karuizawataliesin.com
この展覧会では、レイモンペイネのユーモアのある作品を中心にご覧いただきます。生涯にわたり画中にユーモアやアイディアを次々と生み出していく様子はまるで枯れない泉のようです。
会期:2025年3月15日(土)~2025年9月2日(火) 会期中無休
時間:午前9時~午後5時
会場:重要文化財 アントニン・レーモンド「夏の家」
料金:大人1100円、小中学生500円(軽井沢タリアセン入園料大人900円を含む)
<画像>「ユーモアが溢れるペイネの展覧会」チラシ
ペイネ美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217軽井沢タリアセン内 電話0267-46-6161
http://http://www.karuizawataliesin.com/
高遠石工は江戸時代に急速に発展していった職人集団で、手がけた石造物が立派で簡単に倒壊しないことなどからブランドのように認識されていたとみられ、歴史的・文化的価値を持つ文化財だと認識されるに至っています。
この高遠石工の中で最も注目を集めたのは守屋貞治です。江戸時代の明和2年(1765)に生まれた貞治は、祖父貞七と父孫兵衛が石工であったことから自らも石工の道に進み、336体もの石仏を建立し、『石仏菩薩細工』という記録を遺しました。また、伊勢河崎の宝珠院に石仏を納めた際や身延の七面山に登った際の旅行記を遺し、石仏造立に対する思いを記しています。江戸時代の職人が記録を遺すことは珍しいことで、その記録から明らかになってきた貞治の石仏(貞治仏)が一際美しい彫造であることから、石造文化財の研究者のみならず、歴史の研究者や一般の人々にも注目され、守屋貞治は高遠石工を代表する人物であると評価されています。
今回の企画展では、高遠石工守屋貞治に関する調査の成果を示し、彼が遺した記録と石仏を展示します。実物の鑑賞を通して貞治仏が持つ美術的な魅力を感じていただければ幸いです。
会期 令和7年3月1日(土)から6月15日(日)まで 93日間
休館日 3月3日(月)・4日(火)・10日(月)・17日(月)・
24日(月)、4月21日(月)、5月7日(水)・8日(木)・12日(月)・
19日(月)・20日(火)・26日(月)、6月2日(月)・9日(月))
会場 伊那市立高遠町歴史博物館 2階 第3展示室
主催 伊那市教育委員会(伊那市立高遠町歴史博物館)
協力 伊那市立高遠町図書館、伊那市商工観光部観光課・
高遠商工観光課、一般社団法人伊那市観光協会、
一般社団法人高遠石工研究センター、温泉寺、
建福寺、瑞光寺、善福寺、大泉寺、大蔵寺、
守谷太志氏、小町谷尚子氏ほか
入館料 一般 400円(20名以上の団体は1名あたり300円)
※ 小中学生、高校生、養護学校生徒及び18歳未満の方は無料
※ 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を
お持ちの方とその付き添いの方1名は入館料免除
柘植伊佐夫展:記憶の人々(絵画)
ISAO TSUGE exhibition : PEOPLE OF MEMORY
※途中展示替えあり
会 場 伊那市創造館 1階特別展示室
会 期 令和7年3月29日(土曜日)から令和7年6月30日(月曜日)
時 間 午前10時から午後5時(最終入館時間午後4時45分)
休館日 毎週火曜日・令和7年3月21日(金曜日)
観覧料 無料
柘植伊佐夫
人物デザイナー
1960年生まれ。
滝田洋二郎監督「おくりびと」など多くの映像作品のビューティディレクションを担当。
08年以降、作品のキャラクター像をトータルで創造する「人物デザイン」を開拓。現在、衣装・ヘアメイク・持ち道具を統括し、人物デザイナーとして扮装を総合的に表現している。
主な映像作品に、NHK作品から『龍馬伝』『平清盛』『どうする家康』(大河ドラマ)、『精霊の守り人』(大河ファンタジー)、『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』(8Kスペシャルドラマ)、『岸辺露伴は動かない』(ドラマ)。
映画は『メルド』(レオス・カラックス監督)、『拘束のドローイング9』(マシュー・バーニー監督)、『十三人の刺客』(三池崇史監督)、『翔んで埼玉』『翔んで埼玉琵琶湖より愛をこめて』『はたらく細胞』(武内英樹監督)、『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督・樋口真嗣監督)、『シン・仮面ライダー』(庵野秀明監督)、『岸辺露伴ルーヴルへ行く』(渡辺一貴監督)など。
舞台作品は、『六本木歌舞伎 座頭市』(三池崇史演出)、『赤⻤』『MIWA』『Q:A Night At The Kabuki』(野田秀樹演出)、『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』『王将』『常陸坊海尊』(長塚圭史演出)、『PLUTO』『舞台・エヴァンゲリオンビヨンド』(シディ・ラルビ・シェルカウイ演出)などがある。
著書は『龍馬デザイン。』(幻冬舎)、『さよならヴァニティー』(講談社)。
人物デザインの傍で、絵画制作を行う。
記憶の人々
わたくしは多くの人々に出会い、多くの映画や舞台のなかに登場する人物を創造する仕事を、長く勤めさせていただいています。はじめに就いた仕事は美容師ですが、ご縁あってヘアメイクとなり、その後に先輩や仲間に引き立てられて、「人の姿そのもの」を生み出す仕事に変わっていきました。
これまで進んでまいりました道は、偶然に後押しされて開かれた機会がほとんどでありましたから、特に強く目的を目指してきたのでもなく、流されてここまで来たのではないかと反省することもあります。そのような地に足がしっかりしていない私ですが、いつも心に現れてくる画像があり、それだけが自分にとって確かなことだったのかもしれません。
そのような「心の画像」をはっきりとさせようと、絵筆をとってタブローに向かう時がありました。それらの多くは人であったり、何かのイメージでした。
私に絵を教えてくれたのは亡き父でした。息子とは父親に抗う気持ちを抱くもので、私もその例外ではありませんでしたが、絵画について手を取ってくれたことを今も感謝しています。
つまり父が、私にとって「記憶の人々」の始まりであることは間違いがなく、今回の展示はその記憶を辿る私的な旅でもあります。
たのしい「教訓」の世界? イソップ童話の面白さ
絵本の起源と言われる「世界図絵」は、現在でいう教科書や図鑑のような役割を持っていました。その後、「ホーン・ブック」「バトルドア」など、聖書の内容やアルファベットを子どもに教える印刷物が普及し、現在の絵本を含む子どものための本につながっていきました。加えて18世紀の教育では、子どもに知識や道徳を教えることが重視されるようになります。こうして、子どものための本は、「子どもにものを教えること」から出発しました。
この時期の子どもの本は、「教訓」を題材にすることが多くありました。そこでよく取り上げられたのが「イソップ童話」です。動物が擬人化したような形で、人生の教訓や風刺を表現するお話は「寓話」と呼ばれ、イソップ童話はこの最たる例です。19世紀末~20世紀になると、イソップ童話はウォルター・クレイン、アーサー・ラッカムといった現代絵本の創成期に活躍した画家たちによって、子どもの本に描かれるようになりました。堅苦しく感じる「教訓」も、動物の姿を通して教えてくれるイソップ童話に、子どもたちは親しみを覚えてきたのです。
本展では、長野県佐久市在住の絵本画家・いまいあやのによる『イソップ物語 13のおはなし』(BL出版、2012年)の絵本原画を中心に、さまざまなイソップ童話をイラストともにご紹介します。「ウサギとカメ」「キツネとぶどう」などの有名なものから、「オンドリと宝石」「泉のほとりのシカ」といったあまり知られていないものまで、多くのイソップ童話にふれていただくことができます。いまい氏が描くイソップ童話の中でも「みえっぱりのカラス」と「カラスとハトたち」は、それぞれのお話のずる賢いカラスが、一枚の絵の中で対になっているユニークな構図の作品です。
さらに、いまい氏の代表作『くつやのねこ』(BL出版、2010年)の特集展示を行います。素材となった「ながぐつをはいたねこ」の作者シャルル・ペローの紹介をまじえながら、本作の魅力をひも解いていきます。シャルル・ペローは、17世紀フランスの宮廷作家であり、「グリム童話」の編纂者・グリム兄弟にも大きな影響を与えました。本展では「イソップ童話」と合わせて「グリム童話」「ペロー童話」や「アンデルセン童話」といった、童話の種類についても解説していきます。
いまいあやの『イソップ物語 13のおはなし』©2012 Ayano Imai/BL出版
工房の想いがこめられた、エルツの小さなおもちゃたち
ドイツ・エルツ地方は、木のおもちゃ作りで世界的に有名な地域です。「おもちゃの町」として名高いザイフェンをはじめ、オルベルハウやドイチョイドルフなど、木のおもちゃ作りを営む地域が多くあります。
エルツ地方は、かつては鉱業で栄えた地域でした。しかし、17世紀になって鉱業が衰退すると、それまで副業的に行っていた木工品作りを本格的に行うようになります。現在、エルツ地方・ザイフェンには、約150のおもちゃ工房が存在し、個性豊かな木のおもちゃを生産しています。
エルツ地方のおもちゃ工房では、「くるみ割り人形」や「パイプ人形」といった伝統的なおもちゃの他に、多彩なミニチュアも制作されています。例えば、ライヒセンリンク工房では、春にぴったりな「花」のミニチュアが制作されています。ライヒセンリンク工房は、1904年にエミール・ライヒセンリンクが創業した工房です。エミールは、当時流行していた自動車のミニチュアを制作し、工房を軌道に乗せました。その息子エーリッヒが工房を継ぐと、より親しみのある「生誕」や「イースター」などのミニチュア制作を始めます。現在、工房の看板商品にもなっている「花」のミニチュアも、エーリッヒによって生み出されたものです。この「花」のミニチュアを孫娘のギッタがさらに発展させています。ライヒセンリンク工房では、親子で作品を受け継ぎ、守りながら、さらに発展させ現在まで伝えています。
1933年に創業のエミール・ヘルビッヒ工房は、木彫りのミニチュア制作が特徴的です。グリム童話や動物、絵画など、モチーフは多岐にわたります。作品は全て手彫りで行われており、動物の筋肉なども巧みに表現され、今にも動きだしそうな印象をうけます。ヘルビッヒ工房が大切にしている「手彫りにしかできない表現をする」という理念が、ミニチュアから伝わってきます。
本展では、エルツ地方のおもちゃのなかでも、ミニチュアを中心に展示します。エルツ地方のミニチュアは、1つ1つ手作業で作られています。そのため、制作にたくさんの時間がかかります。そんなミニチュアが現在まで伝わっているのは、工房の職人たちが代々、作品や技術を大切に守ってきたからでしょう。小さなミニチュアのなかには、工房の想いやこだわりが込められています。ミニチュアがつくる世界を楽しみながら、エルツ地方のおもちゃ工房を知る機会になれば幸いです。
温室 Reutter Porzellan/花屋のミニチュア、イースターラビット Leichsenring
2025年に開館30周年を迎えるサンリツ服部美術館は、長野県で最も大きな湖・諏訪湖のほとりに建っています。建物は「水辺より湧き上がる雲」をイメージして設計されており、館内2階の喫茶室からは春夏秋冬、朝に夕に多彩な表情をみせる諏訪湖を眺めることができます。この度は開館30周年を記念し、服部一郎コレクションより、湖を囲む諏訪の地のように水のある風景を描いた作品をご紹介いたします。
自然の景色は古来より多くの人々をひきつけ、画家たちはその景観を作品に描きこんできました。なかでも刻一刻と変化する湖畔や明るい光に照らされた河川、雄大な海などの水辺の風景を描いた作品は枚挙に暇がなく、画家たちが好んで題材としてきたことがうかがえます。また水には様々なイメージが重ねられ、画家の心象風景を表したり、河川がその地域の風土を象徴するものとして描写されるなど、その表現は多岐にわたっています。
本展ではコレクションより湖・川・海や、水を象徴的に描いた近現代の作品を多数ご紹介いたします。画家たちが描いた多様な水の風景をお楽しみいただけますと幸いです。
令和6年、当館は開館30周年を迎えました。本展では、30年間収集した館蔵資料(考古資料)を対象として、
(1)長野県の特徴をあらわす遺物の展示
(2)長野県の文化力を表現する遺物の展示
(3)常設展示に合わせた展示テーマを前提とした30年間の資料収集、研究の進展についての提示
の3つの柱に基づき、これまで展示の機会が少なかった所蔵品を中心に展示します。また、長野県史考古資料編刊行(1988年)から36年の節目に、これまで長野県内で発掘調査した遺跡の成果から、長野県史を再考する機会とします。
(写真:「卑弥呼の時代の赤い壷」(篠ノ井遺跡群出土・当館蔵)