常設展示の神子柴遺跡出土品
歴史を刻んだ近代建築
伊那市の中心市街地に位置する旧上伊那図書館は、昭和5(1930)年に上伊那教育会の多年にわたる懇請に応え、郷土の製糸家武井覚太郎翁の篤志寄付によって創建されました。大正末期・昭和初期の思潮を反映した近代建築で、基本設計は台湾総督府や片倉館などを手がけた森山松之助、実施設計は県下において多くの公共施設や学校の設計を行った黒田好造が行いました。その外観・内観は重厚な中にも華やかさを備え、開館当時は「壮麗完備天下に誇る」と形容されました。戦前・戦中・戦後を通じ、教育・文化の発信地として、伊那市のみならず上伊那の人々に愛され親しまれてきました。
過去の創造物を後世に伝え、未来に向かって創造を実践する
80年の時を経て、平成22(2010)年5月にリニューアルオープンした伊那市創造館は、歴史的建造物を文化財として保存し、市民の生涯学習の場として活用するとともに、教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的とした社会教育施設です。
創造館の名称は、夢多き未来に向かって人類の進化の礎である「創造」を実践するとともに、建造物、歴史資料等、先人たちの過去の「創造」物である遺産を後世に伝える役割を併せ持つ施設であることを表しています。
御殿場遺跡出土・顔面付釣手形土器
昭和の図書館(旧上伊那図書館書庫)
井月(せいげつ)展示室
地質展示室
昭和の図書館:旧上伊那図書館書庫
御殿場遺跡出土:顔面付釣手形土器(がんめんつきつりてがたどき)
神子柴(みこしば)遺跡出土石器群