場所:北斎館 開催期間:2019-11-16〜2020-01-19 お問い合わせ:026-247-5206
昨年度に続く葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」『富嶽百景』展の第2弾。2020年、日本のパスポートに北斎の「冨嶽三十六景」のうち24図が使用され、また2024年度から新紙幣のデザインに採用されたことから、北斎は近年改めて注目が集まっています。
北斎70代前半、読本や絵手本など多様なジャンルを経て次に着手したのが錦絵の世界でした。中でも特に傾倒したのが霊峰、富士山を主体としたシリーズであり、その代表作が海外でも高い評価を得ている「冨嶽三十六景」です。当初36図を予定していた同作は、好評だったため10図を追加し全46図として完成しました。しかし北斎の富士に対するイメージはとどまらず、天保5(1834年)に新たに版本の『富嶽百景』3冊を完成させました。
両者は同じ富士山をテーマとした作品で、構図や彩色の違いはあるものの似たような印象を与えるものも少なくありません。北斎が「冨嶽三十六景」の更なる発展を求め、己に秘めたイメージと向き合い、持ち得る画技画力を発揮して生み出した作品、それが『富嶽百景』と考えられます。
本展では、北斎の代名詞ともいえる「冨嶽三十六景」と『富嶽百景』の対比をご覧いただきます。また2020年より発給される「冨嶽三十六景」デザインの旅券レプリカなどを紹介し、世界に開かれた北斎文化をご紹介します。前北斎為一と画狂老人卍、両者の対峙をぜひご覧ください。