場所:北斎館 開催期間:2021-01-22〜2021-03-28 お問い合わせ:北斎館(TEL:026-247-5206)
「北斎ブルー」という名を知っていますか。葛飾北斎(1760~1849)が晩年に多用した深く色鮮やかな青色は、近年そう呼ばれています。北斎の代表作「冨嶽三十六景」をはじめ、当時多くの版画作品に利用されたこの青色は、西洋で発明された化学顔料「ベロ藍」(プルシアンブルー)を使用したもので、従来の版画作品では見られない斬新な印象を人々に与えました。
北斎は為一の号を名のる60~70代に錦絵の制作を重点的に行っています。「諸国名橋奇覧」「諸国瀧廻り」など数多くの連作版画を版行し、中でも「冨嶽三十六景」は最初の数作を藍一色の藍摺版画として版行するなど、北斎版画作品の新しい色彩に挑戦した作品でもありました。様々な作品を手掛けてきた北斎にとって、色彩は作画を彩る重要な要素という認識を持ち合わせていたのでしょう。晩年、その画技を伝えるべく絵手本『絵本彩色通』を出版し、動物や植物などの色彩について指導を残しています。
本展では数ある北斎作品の中から墨を基調とした作品、淡い色彩で描かれた作品、多彩かつ鮮やかな作品に分類し展示します。それぞれにおける印象の違いや色彩が放つ魅力を存分にお楽しみください。また昨年に続き屋代南高等高校ライフデザイン科の生徒が制作した、北斎の絵をもとにデザインした華やかな衣装も展示します。視覚を通じて多大な影響を与える色の展覧会をぜひご覧ください。