夏季特別展「あさまのふもとの子どもの文学―衿子、桃子、俊太郎、、、―」

場所:軽井沢高原文庫   開催期間:2021-07-17〜2021-10-11  お問い合わせ:E-mail:kogenbunko@yahoo.co.jp TEL:0267-45-1175 FAX:0267-45-6626

 高原をかける子ども、野原に憩い草を食む牛や馬。空高くそびえる浅間山の麓には、児童文学に登場するような、牧歌的世界がひろがっています。浅間山麓の自然は、多くの児童文学者たちを魅了してきました。彼ら彼女らは、北軽井沢、追分などに山荘を構え、童心に帰りながら、多くのすぐれた児童文学を紡いできました。夏季特別展では、そんな“あさまのふもと”で育まれた子どもの文学をご紹介します。
 詩人・童話作家の岸田衿子(1929~2011)は、浅間山麓の六里ヶ原で一年の多くを過ごしました。詩集『忘れた秋』など、自然を題材にした作品を多く創作しました。またアニメ「アルプスの少女ハイジ」の主題歌の作詞を手がけ、自身と同じく高原で暮らす少女の心を高らかに唄い上げた歌詞は、誰もが知るところとなりました。父は劇作家・岸田國士、妹は俳優・岸田今日子。なお、本年は岸田衿子没後10年にあたります。
翻訳家・作家の石井桃子(1907~2008)は、少年少女のための文庫の編集、そして児童文学の創作・翻訳、家庭文庫の運営など、子どものための文学の普及に貢献しました。『ノンちゃん雲に乗る』はベストセラーとなり、1969年、追分に山荘を構えて以降はビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』や『ファージョン作品集』など、後世に残る多くの名訳を生みました。
 ほかにも、哲学者で父の谷川徹三に伴われ幼少期より夏を北軽井沢大学村で過ごし、その後も長く訪れている詩人・谷川俊太郎(1931~)、大学村で1年の大半を暮らし、J・シュピリ『ハイヂ』など児童文学を翻訳した作家・野上弥生子(1885~1985)、『100万回生きたねこ』などで知られる絵本作家・エッセイストの佐野洋子(1938~2010)、『大草原の小さな家』など「インガルス一家の物語」シリーズの児童文学翻訳家・恩地三保子(1917~1984) が、浅間山麓で多くの時間を過ごし、子どものための文学を生み出しました。
 本展では、ご遺族ならびにご本人、各関係機関からご協力をいただき、自筆資料や著作など、約250点を展示いたします。山麓に吹く風のように、どこまでも伸びやかで自由な子どもの文学の足跡を、どうぞお楽しみください。

<関連イベント>
■文学さんぽ
「追分文学散歩道を歩く」
9月11日(土)13時~14時30分
初秋の浅間山を眺めながら、旧石井桃子山荘の内部見学はじめ、追分ゆかりの文人たちの山荘や痕跡を訪ねます。
講師:当館学芸員 集合:追分宿駐車場(浅間神社前) ※小雨決行
料金:1500円、友の会会員1000円
■軽井沢再発見講座
「あさまのふもとの子どもの文学者たち」
9月25日(土)13時~14時
講師:大藤敏行(軽井沢高原文庫副館長) 
料金:1300円(入館料含)、友の会会員500円
両イベント  
定員:8名程度(コロナウイルス感染防止の為、定員を例年の半分にさせて頂きます)  
※2つのイベントは要予約:Eメール(e-mail:kogenbunko@yahoo.co.jp)、FAX(0267-45‐6626)、TEL(0267-45-1175)でお申し込みください。◎予約受付:8/1~

〈次回企画展〉
「文学のふるさと・軽井沢〜避暑地135年ものがたり〜」
10月15日(金)〜11月30日(火) 会期中無休
避暑地軽井沢ゆかりの文学者約50人の詩、小説、随筆など、多彩な資料約200点を展示。


軽井沢高原文庫
〒389-0111
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3
Tel.0267-45-1175
Fax.0267-45-6626 http://kogenbunko.jp

□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料410円)
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料200円)