場所:軽井沢高原文庫 開催期間:2023-03-18〜2023-05-23 お問い合わせ:0267-45-1175
加賀乙彦館長が2023年1月12日、老衰のために東京都内で亡くなりました。享年93歳。本名は小木(こぎ)貞孝。
このたび、加賀乙彦先生の訃報を受け、軽井沢高原文庫では、ご遺族の許可をいただき、令和5年度第1回企画展として、2023年3月18日(土)~同5月23日(火)まで、「追悼 加賀乙彦館長~軽井沢高原文庫と歩んだ25年~」を開催いたします。
本展は、2019年に当館で開催した夏季特別展「加賀乙彦展~精神世界の光と闇を求めて~」の展示内容をほぼ踏襲する形で、加賀乙彦の作家としての業績を長篇小説を中心に振り返るものです。2019年展は加賀乙彦本人の意向に沿った内容構成で組み立てられており、それを尊重するものです。
加賀乙彦館長は、先代の中村真一郎を引き継ぐ形で1998年4月から25年間にわたり、軽井沢高原文庫の館長を務めました。その間、軽井沢文学を北軽井沢・御代田などを含む大軽井沢という捉え方で野上弥生子や谷川俊太郎らの文学者の紹介展を行い、また武満徹ら音楽分野の紹介に努めるなど、活動の裾野を広げ、館の発展に尽力しました。
加賀乙彦は1929年東京都出身、東京大学医学部を卒業し、東京拘置所医務部技官などを経て1967年『フランドルの冬』(芸術選奨文部大臣新人賞)で作家デビュー。『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)『宣告』(日本文学大賞)『湿原』(大佛次郎賞)『永遠の都』(芸術選奨文部大臣賞)『雲の都』(毎日出版文化賞企画特別賞)など多くの作品を世に問いました。芸術院会員、文化功労者(2011)。現在は『加賀乙彦長篇小説全集』(作品社)が刊行中。
加賀と軽井沢との関わりは、1954年夏、東大病院精神科の医局員時代に教授別荘を訪問したことがきっかけで、その後1955年、1960年と度々軽井沢の地を訪れました。軽井沢の自然に魅了された加賀は、その後1974年、信濃追分に山荘を建て、以後、晩年までの48年間、夏場を中心に執筆に励み、多くの文学者や文化人と交流を結びました。
なお、本展では、加賀乙彦が軽井沢において親しく交流した野上弥生子、中村真一郎、福永武彦、遠藤周作、北杜夫、辻邦生、後藤明生らを含め、軽井沢にゆかりの作家・芸術家も紹介します。自筆資料、書籍、書簡、絵画など、文学関連資料約200点を展観いたします。
軽井沢高原文庫
THE LITERARY MUSEUM OF KARUIZAWA
開館時間:9:00~17:00
料金:大人(高校生以上)800円、小中学生400円
(入館料には堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘「浄月庵」、野上弥生子書斎の見学も含まれています。)
長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3 TEL0267-45-1175 Fax.0267-45-6626
http://kogenbunko.jp 〒389-0111
□交通:JR北陸新幹線・軽井沢駅、または、しなの鉄道・中軽井沢駅下車、タクシー約8分
上信越自動車道・碓氷軽井沢.I.C.より車で15分。
※会期中、次のバスが運行いたしますのでご利用ください。
〈急行塩沢湖線〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル④番」→「塩沢湖」下車(有料420円)
〈町内循環バス(東・南廻り線)〉通年「軽井沢駅北口バスターミナル①番」→「塩沢湖」下車(有料100円)
※展覧会&イベントにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、変更になる場合がございます。何卒ご了承ください。
会期中無休
2022.12/1~2023.3/17 冬季休館
写真【2015.8 軽井沢タリアセンにて、撮影:野頭尚子】