場所:北斎館 開催期間:2024-04-06〜2024-06-09 お問い合わせ:026-247-5206
それが悲劇であれ喜劇であれ、登場人物の感情の起伏は物語の大切な魅力の一つでしょう。江戸の人々が楽しんだ物語も例外ではなく、北斎が手掛けた版本の挿絵には、様々な感情を見つけることができます。
北斎は、40代半ば頃から読本挿絵の分野で活躍します。曲亭馬琴や柳亭種彦といった戯作者とタッグを組んで世に送り出した読本作品は、江戸の人々の心をつかみ人気を得ました。
北斎の挿絵が人々を引きつけたわけは、緻密な描写や、大胆な構図などいくつかの理由が考えられますが、そのうちのひとつに感情表現の面白さがあるのではないでしょうか。ある物語の登場人物は悲しみに暮れて涙を流し、また別の物語では、大金を前に大喜びする人物も。こうした豊かな感情表現は、読者を物語の世界へ引き込み大いに魅了したことでしょう。
本展覧会では、北斎の版本挿絵を中心に登場人物の感情表現に焦点を当てます。泣いたり驚いたり喜んだり、登場人物の様々な感情の表現をお楽しみください。