場所:ペイネ美術館 開催期間:2020-09-02〜2021-01-12 お問い合わせ:0267-46-6161
空。私たちの頭上はるかに見えるその存在に対し、人類は有史以来様々な想像やイメージを働かせてきました。たとえば、私たちは、どこまでも果てしなく広がる青空を見晴らし、自然と、そこに、大いなる自由、もしくは明日への希望といった、明るいイメージを抱きます。もしくは、ともしび一つない晩、夜空を見上げた先にある、黒々とした深淵を覗き、圧倒されるような神秘的な畏怖を感じることもあります。私たちがまだ、素朴な古代人であった時、その畏怖する心は、原始的な宗教観念と結びつき、抽象概念である「天」を空に見いだしたことでしょう。夜空に見える星々。もくもくと湧き上がる雲。あれは何だろう、あそこにはきっと、わたし達の住む世界とは違う、「崇高な世界」があるに違いない・・・。
フランス人イラストレーター・画家であるレイモン・ペイネもまた、空、もしくは空を飛ぶことに対し、特別な観念を抱いていたようです。ペイネの描く「恋人たち」は、まるで鳥のように、重力の法則に逆らい、地上より空へ、そして空より高い、抽象的な「天」へと飛んでいきます。そこには、ペイネが空を飛ぶことに固くして込めた、恋愛の諸相にまつわるあらゆる表現を見いだすことができます。
ペイネが自由自在に筆を振るい、風船のように飛ばした「恋人たち」は、館内をあちらこちら、風雅に飛んでいます。さぁ、捕まえにいきましょう!
〇入館料:大人(高校生以上)1000円、小人(小・中学生)500円
〇開館時間:午前9時~午後5時
〇休館日:会期中無休
〒389-0111
長野県北佐久郡軽井沢町長倉217
Raymond Peynet 「一泊ですか、それとも永遠に?」
©ADAGP,Paris &JASPAR,Tokyo 2020