場所:伊那市創造館 開催期間:2025-03-29〜2025-06-30 お問い合わせ:伊那市役所 教育委員会 生涯学習課 創造館 電話:0265-72-6220 ファクス:0265-74-6829 メールアドレス:szk@inacity.jp
柘植伊佐夫展:記憶の人々(絵画)
ISAO TSUGE exhibition : PEOPLE OF MEMORY
※途中展示替えあり
会 場 伊那市創造館 1階特別展示室
会 期 令和7年3月29日(土曜日)から令和7年6月30日(月曜日)
時 間 午前10時から午後5時(最終入館時間午後4時45分)
休館日 毎週火曜日・令和7年3月21日(金曜日)
観覧料 無料
柘植伊佐夫
人物デザイナー
1960年生まれ。
滝田洋二郎監督「おくりびと」など多くの映像作品のビューティディレクションを担当。
08年以降、作品のキャラクター像をトータルで創造する「人物デザイン」を開拓。現在、衣装・ヘアメイク・持ち道具を統括し、人物デザイナーとして扮装を総合的に表現している。
主な映像作品に、NHK作品から『龍馬伝』『平清盛』『どうする家康』(大河ドラマ)、『精霊の守り人』(大河ファンタジー)、『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』(8Kスペシャルドラマ)、『岸辺露伴は動かない』(ドラマ)。
映画は『メルド』(レオス・カラックス監督)、『拘束のドローイング9』(マシュー・バーニー監督)、『十三人の刺客』(三池崇史監督)、『翔んで埼玉』『翔んで埼玉琵琶湖より愛をこめて』『はたらく細胞』(武内英樹監督)、『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督・樋口真嗣監督)、『シン・仮面ライダー』(庵野秀明監督)、『岸辺露伴ルーヴルへ行く』(渡辺一貴監督)など。
舞台作品は、『六本木歌舞伎 座頭市』(三池崇史演出)、『赤⻤』『MIWA』『Q:A Night At The Kabuki』(野田秀樹演出)、『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』『王将』『常陸坊海尊』(長塚圭史演出)、『PLUTO』『舞台・エヴァンゲリオンビヨンド』(シディ・ラルビ・シェルカウイ演出)などがある。
著書は『龍馬デザイン。』(幻冬舎)、『さよならヴァニティー』(講談社)。
人物デザインの傍で、絵画制作を行う。
記憶の人々
わたくしは多くの人々に出会い、多くの映画や舞台のなかに登場する人物を創造する仕事を、長く勤めさせていただいています。はじめに就いた仕事は美容師ですが、ご縁あってヘアメイクとなり、その後に先輩や仲間に引き立てられて、「人の姿そのもの」を生み出す仕事に変わっていきました。
これまで進んでまいりました道は、偶然に後押しされて開かれた機会がほとんどでありましたから、特に強く目的を目指してきたのでもなく、流されてここまで来たのではないかと反省することもあります。そのような地に足がしっかりしていない私ですが、いつも心に現れてくる画像があり、それだけが自分にとって確かなことだったのかもしれません。
そのような「心の画像」をはっきりとさせようと、絵筆をとってタブローに向かう時がありました。それらの多くは人であったり、何かのイメージでした。
私に絵を教えてくれたのは亡き父でした。息子とは父親に抗う気持ちを抱くもので、私もその例外ではありませんでしたが、絵画について手を取ってくれたことを今も感謝しています。
つまり父が、私にとって「記憶の人々」の始まりであることは間違いがなく、今回の展示はその記憶を辿る私的な旅でもあります。